詩画集Journey for stars

mizue
1,350円
購入可
660円(税込)
3年寝かせた肉企画!天狗の会、3年ぶりの新刊はズバリ「肉のはなし」。華々しく、にぎにぎしく、お肉を一刀両断していた、切れたナイフのような若い頃とは違います。 月日が経つのが早すぎて、熟成肉のような仕上がりになりました。人生の節目を想像しつつ、肉のスライスは薄くしますか?ぶ厚くしますか?肉の誘惑に挑戦するかどうかは貴方次第の「肉のはなし」です。
【収録作品】
(★は漫画作品です)
●「肉に関する2、3の事柄」(日向まみお)
素麺はともかく、ハムを食べる機会が少なくなったと感じていた今日この頃。ハムと一緒に食べたのは、確かにパンより白飯の方が多かった。一昔前の描写に定評があるまみおさん、へなちょことお肉を小脇に抱え、過去から現在へ。
(冒頭試し読み)お中元やお歳暮の中身が画一的だった昭和の幼少期、ボンレスハムは休日の朝の食卓によく上るもののひとつだった。
●「さようなら人間」(ひぐま)
哲夫さんは、若い頃からお肉が苦手な、ほっそりした白髪頭のおじいさん。新しく出来た焼肉店で食事をしてから肉を好んで食べるようになり、そしてご近所では不穏な噂が。洋子さんの嫌な予感と、肉の勢いは加速する。
(冒頭試し読み)哲夫さんは若い頃から肉が苦手だった。全く食べられないというわけではない。煮物や肉じゃが、カレーなどは好きだし時々食べている。
●「お肉の温度と香辛料」(岸本める)
今宵も天狗はめるさんワールドへとあなたを誘います。シルクロードの話すヤギ肉、その無味な経験とはいかに。奇妙な経験から、食と感情、人生経験の関連性までAIと深掘りします。胃もたれと哲学を同時に味わう、未体験の読書体験を召し上がれ。
(冒頭試し読み)お肉を食べすぎると胃もたれするお年頃になった。老眼と言い、とうとう来たか。
★「ねこねこ通信」(大庭あやこ)
みんな大好き、今日もシュリとアナキンが満足ならばそれで良い。でも鼻が…鼻だけはどうにかしたいのです。ツン多め、デレとの割合が難しい。「用事ないニャ」と避けられようとも可愛いニャンコへのご奉仕は止められない。
4コマ漫画収録:こわいはなし、ねこのはなし、肉のはなし
イラスト収録:アンソロジー女子校、いやな手紙
★「碁盤のスキマから~八杯目~」(サカトゲヨリオ)
美味しいミートパイには、恐ろしい契約がつきもの。猫似のマスターと、お肉大好き・不穏なお客様。天狗カフェ「しっぽ」で交わされる、香ばしくて危険な取引の行方は…。読めばあなたも、ミートパイが食べたくなる…かも。
●「ララクラッシュ」(北中ねむ)
あの蒟蒻ゼリーを巡るエッセイ。低カロリーで美味しいこの菓子は、禁断の果実。一口食べたら止まらない、その魅力とは。(初出『夜食』天狗の会文芸部門分科会(二〇一八年))
(冒頭試し読み)古来、夜とは眠りの時間だった。人間は太陽の出ている間に働き、食べ、夜は眠り、摂取した食べ物を栄養に変える。
●「わたしのまちの本屋さん」(北中ねむ)
父から継いだ本屋と町に隠された、驚くべき真実とは。(初出『そこあまで444書』尼崎文学だらけ(二〇二一年))
(冒頭試し読み)この町唯一の書店の主たる親父が死んだのは、俺が二十歳の秋。車で少し走れば、国道沿いに大型書店があるのに、親父の店は人々から愛されていた。
食後のデザートのように、あとくちさっぱり。心に残る余韻をどうぞ。