――この館は、物語で埋め尽くされていた。
僕はこの館に蓄積された本を読むことを許された読み人であり、一人の巫女のため毎夜、その枕元で物語を語っている。
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発症してから千日で死に至るという病に罹患した少女は、その奇病で得た先読みと呼ばれる能力により巫女となり、神の領域に迎え入れられる。
それが、この国の決まりだった。
毎夜儀式を執り行う巫女マリーと、死へと向かう魂を救うための読み人となった少年ジャンは、神殿と名付けられた隔離施設で、静かな時を過ごしていた。
そんな日々のさなか、ジャンのもとに訃報が届く。――その知らせは、奇病に隠された秘密を解き明かすための鍵だった。
時の狭間に閉じ込められていた二人の時間が、動きはじめる。
しっとりとした雰囲気のファンタジー短編小説です。
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判型:文庫本(カバー付き)
頁数:68ページ
印刷:本文:オンデマンド
カバー:オフセット(マットPP加工)
製本:手製本
千古草の巫女
550円(税込)
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なし
残り在庫
3冊
初回発売日 2015.02.10
最終納品日 2015.02.09
最終納品日 2015.02.09