かいつまむ日々。2
湖上比恋乃
450円
購入可
1,200円(税込)
主宰していたアンソロジー『季刊ヘキ』への寄稿作品をまとめました。
テーマ吸血鬼で春夏秋冬、キョウダイで春夏秋冬、靴で春の9作品が収録されています。
Twitterで企画した覆面小説企画ぷちヘキの参加作品もおまけで載せました。
とにかく私の性ヘキが一冊にまとまっています!
「インクはペン先でなく爪先から滲んで」靴×春
私のペン先から流れ出るインクはいつも恋物語を綴る。私の知らないことをペン先は知っている。憧れていた恋というものは私に訪れることなく、いつでもただ紙を埋め尽くしていくだけだった。(冒頭より)
表題作「柔肌は毒を内包する」吸血鬼×夏
吸血欲を制しながらも平和に過ごしていた養護教諭のもとへ、二年い組青梅涼子があらわれる。「せんせ、わたくし知っておりますのよ」と。真っ白な夏服を着て、首を、腕を、ひざを露わにした少女の登場は、ひどく簡単に、どうしようもなく、そして残酷に“私”の欲をかりたてることとなった。
「私をみて」キョウダイ×秋
変温動物が人のマネゴトをした存在。それが私であり、この町のいくらかの人である。今はいない姉もそうだった。
蛇混じりなミョルニルサは、冬眠に失敗して死んだ姉リュシュカの夫と二人で暮らしている。初めてひとりで冬眠に入ることを怖がる彼女に、義兄があるものをプレゼントする。
「そして兄は吸血鬼になった」吸血鬼×冬
弟を守るために人間をやめた双子の兄は、その弟の首筋に歯を突き立てる。美しい少年のままの兄と、美しいまま青年になった弟の吸血風景。