人魚のはなし
南風野さきは
495円
購入可
990円(税込)
表題作『すべて星のかけら』を含む5編の掌編や連作、詩のようなものを収録しました。
どこかの町のどこかの人々の小さなおはなしたちです。
『すべて星のかけら』
少女の片恋から始まる十編の連作。
誘拐犯、写真家、Tele Vision、砂嵐テレビ、あね、おとうと、木蓮、秘密のねつ、ひまな店、星のかけら。
どこかで誰かが何かがすれ違います。袖すり合うも他生の縁。そしてみんな星の、地球のかけら、小さな分身たち。
『王様と番人』
しょんぼりしがちな王様と誇り高い百人の番人のおはなし。
『長月日記』
ある年の九月、毎日綴った小編連作。
『「ミドリコ、』
大切なひとを失った時から、毎年、ミドリコは夏至に髪を切り、瓶に封じます。〈忘却〉に抗い、忘れてゆく自分自身を保管するのです。
ある夏至の日、太陽の力によって次々と瓶から生まれるミドリコのホムンクルス。
〈かなしみ〉と〈忘却〉と向かい合うミドリコと、彼女を見守るとある視点のおはなし。
『角砂糖』
淡水人魚のうつくしさに魅かれる〈僕〉が魔法使いとの契約に囚われてゆく幻想掌編。