彼等の言い分
久慈川栞
900円
購入可
1,210円(税込)
「生えかわる前の子どもの腕で何をするか、ずっと決めかねている」
「私たちにはなにもないのだ。そう、石以外はなにも」
「おなかに乗ったひとは簡単には戻ってこない。そこがあまりに過ごしやすいことをみんな思い知ってしまう」
「なんにもいらなかった。比喩ではない。わたし自身さえ含めて、わたしはなんにも、なんにもいらない 」
「いよいよ働き手が足りなくなったので海から活きのいいのを連れてくることにした。海のものは森のものより働き者だと相場が決まっており、しかし、すぐにかえりたがるのが難点である」
「感情は弔われるべきである。どんなものであっても必ずだ」
へんてこで遠い物語を集めた短編集。
Webにて画像で発表した短い物語「月影」から「怪獣アー」まで84篇、アンソロジー光参加作品「生まれる」、ぺーパーウェル07参加作品「空・弔われるすべて」、いくつかの詩、ほか未発表の物語5篇を収録。
午後三時五分の木星
胡桃の実
レテ、水葬
家路
次にこの体に来る人