【バラ】鳥写ポストカード シロチドリの親子

孤伏澤つたゐ
330円
購入可
無職になった。
海辺に生きる人間というのは、生活に困ったら浜へ行けばなんとかなる、と思っている。
まあ、暇だし、とりあえず浜でもいっとくか。
砂浜を歩いていると、ピュイっという鳴き声とともに一羽の鳥が足下に飛び出してきた。
翼をひろげて、バタバタともがいて、こっちをにらんでいる。
――鳥は、シロチドリだった。
知る、ということは、不安や悲しみを、ひとつ多く、拾ってしまう行為ではないかと思う。
二〇二五年初夏、そして夏。砂浜のすみっこで、シロチドリたちをながめつづけてきた記録。
三万字程度のエッセイ、フルカラー写真29頁。