わたしたちには なやみなんてない。

わたしたちには なやみなんてない。

400円(税込)

ひりひりする読み味のつまった短編集

2021年に10冊だけ作った短編集『わたしたちには なやみなんてない。』
表紙と短いあとがきを新たに、改訂版として発行いたしました。

ひりひりする読み味、ちいさな棘を抜きながら描く日常がお好きな方に。

◆どこへでも、

「ほんと、たいしたことじゃないんですよ。先生」

そう言って女子高生の主人公は語り出す。
「散歩に行ってくる」と出ていったきり、帰ってこない母のこと。姉とふたりで過ごすの日常のこと。

どこへでも行ける。
どこへでも行ってしまえ。

でも一体、どこへ?

◆鍋

ある家族の食卓の風景。
母から家族へと順番によそわれ、最後は雑炊になる。そういう儀式のようだった。

食べるのをやめた妹、父。
母と姉と僕は、変わらずに5人分の鍋を食らう。


あやういバランスで成り立っている、どこか不穏で歪な家族のかたち。

◆春が来るまで待っていて

男子中学生の四人は、公園に集まってハルシオンを服用する。
「ハルがキタ」と笑いだす友達に、キマッたふりでついていく俺。

担任教師に呼び出されても、友達を裏切ろうなんて思わない。俺は。けっして。

◆二毛作の兄弟

家を出ていった兄弟は、両親の他界をきっかけにそれぞれ「米」「麦」を交代で引き継ぐことにした。

米の時期には兄の夏樹が。
麦の時期には弟の冬真が。

ほんの少しのずれで壊れてしまいそうな、不確かな暮らし。

サイズ
A6
ページ数
46p
仕様
表紙フルカラー、本文モノクロ(オンデマンド印刷)
発行
2024年10月
納期目安
ご入金確認後1営業日以内に発送
配送方法
購入数制限
なし
残り在庫
1冊
初回発売日 2024.12.14
最終納品日 2024.12.09

わたしたちには なやみなんてない。

400円(税込)

作家

ナカノヒトリ

ナカノヒトリ

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