ゆめかうつつかわからない(秋冬)
久慈川栞
900円
購入可
自分の物語を綴るうちに、しばらく離れていた場所へ、
もう一度、帰っていくような感覚がありました。
そんな実体験を対話形式の物語にしてみました。
仕事に追われる日々の中で、
「何かを書きたい」という気持ちだけが、ずっと胸の奥に残っている。
そんな夜を過ごしている人に、お届けしたい一冊です。
※A5版・26ページ
※紙書籍版は表紙は用紙が【りんどう】です。
『アドラーは、バーにいる。』は、仕事帰りの男性が、バー「クロフネ」で
ジュニアと名乗る謎めいた青年と出会うところから始まります。
心理学を学んでいるという青年は、主人公にひとつの宿題を出します。
――「140字小説を、毎週ひとつ書いてくること」。
それは、うまく書くための課題ではありません。
長い言葉ではごまかせない、自分自身と向き合うための短さでした。
毎週提出される140字の小説を通して、主人公は
過去の記憶や、言葉にならなかった感情に、
少しずつ触れていきます。
物語の対話には、アドラー心理学の視点を静かに織り込みました。
他者は変えられないこと。
そして、自分の物語をどう生きるかは
「自分で選べる」ということ……。
本作の中に登場する「140字小説」は、
同人活動を本格化する前に、
私(ククトニアン)が実際に書いていたものです。
140字という小さな一歩でした。
けれど、文学フリマで作品として出したことで、
自分の中で、止まっていた何かが動き出しました。
なぜ、あのとき書いたのか。
なぜ、あれが次につながったのか。
その問いを、客観的に見つめ直し、
対話形式の物語として再構成したのが
この『アドラーは、バーにいる。』です。
副題は
「140字の小説が、あなたの勇気になる」
としました。
ここでいう《勇気》とは、何かを大きく変えることではありません。
自分の物語を、自分で選び直すための、ほんの小さな《勇気》です。