僕は逃げてきた。見えなければないのと同じだ。
だから四月になったら社会人になれるし、ほとぼりが冷めるまで待てばいい。
行方をくらませている間に誰かがどうにかしてくれる。そしたら何食わぬ顔で戻ればいい。
ずっとそうしてきた。
だから今僕が身ぐるみ剥がされているのも、彼女に恋をしたのも多分夢で、目を瞑っていればとけて消える幻だ。
僕はぎゅっと目を閉じる。
きっとこの夢も覚めてくれるはずだ。
上演記録
feblabo x シアターミラクルプロデュース
「ホテルミラクル3」提供作品